核兵器禁止条約の締約国会議 NGO総括「新しい時代感じさせた」
2022年6月25日
「核なき世界」の実現を目指す「ウィーン宣言」などを採択して閉幕した、核兵器禁止条約の初めての締約国会議について、現地で活動した日本のNGOは「具体的な行動計画とともに宣言が採択され、新しい時代を感じさせる会議となった」と総括しました。
オーストリアの首都ウィーンで開かれた核兵器禁止条約の締約国会議は、「核なき世界」の実現を国際社会に呼びかける「ウィーン宣言」と、核廃絶に向けた具体的な取り組みをまとめた「ウィーン行動計画」を採択して閉幕しました。
別紙に参考資料:核兵器禁止条約第1回締約国会議 ウィーン宣言(全文)
「ウィーン宣言」のポイント解説
核兵器禁止条約の初めての締約国会議で採択された「ウィーン宣言」のポイントは以下の通りです。
▽核廃絶を実現する決意を、再確認する。核兵器が二度と使われない唯一の方法は核廃絶だ。
▽核の使用や威嚇は国連憲章を含む国際法に反するもので、いかなる核による威嚇も明確に非難する。
▽いまだに9か国がおよそ1万3000の核兵器を保有していることを、深く憂慮する。
▽核兵器保有国と核の傘のもとにある同盟国のいずれの国々も、核兵器への依存を弱めるために真剣に取り組むことなく、逆に核兵器を維持、強化していることを、遺憾に思う。
▽核兵器は不名誉で正当性がないという、強固な国際規範を構築する。
▽国際機関やNGO、被爆者、核実験の被害者、若者の団体などと、連携していく。
▽NPT=核拡散防止条約は核軍縮と不拡散の基礎であり、核兵器禁止条約とは相互に補完する関係にある。
▽条約にまだ参加できないという国にも、「核兵器のない世界」という共通の目標に向かって協力を呼びかける。核兵器の非保有国が条約に参加することを妨げる核保有国の行為を憂慮する。